『工藝の森』は、モノづくりの起点が自然にあることに着目し、「行為循環型のモノづくり」を通して、人と自然の健やかな関係性が再構築されることを目指す、私たちの活動の「シンボル」です。『行為循環型のモノづくり』とは、「うえる」「そだてる」「いただく」「つくる」「つかう」「なおす」といった、モノづくりに関わる行為がつなぎ直され、循環すること-これらの行為に関わる、人や道具、技が生態系をなしてはじめて、モノづくりの文化は、次の時代に受け継ぐことができるのです。
工藝の「藝」の字の由来は、「人が苗を植える姿」をかたどった象形文字だといいます。一見難しそうなこの文字は、実は芸術や工芸の本質を表していると私たちは考えています。工藝の森のエンブレムの中央には、大事そうに苗を抱える両手があり、その手のそばには、木槌や鉋(カンナ)といった道具が見られます。モノづくりのエネルギーは、手や道具から、山や川へと巡り、私たちの手元にまた戻ってきます。
作ること、買うこと、使うことが、森を育てることにつながる。消費のためではなく、私たちの心とともに育つ-そのようなモノづくりこそが、持続可能なモノづくりであると考え、私たちの指針として「工藝の森モノづくり十ケ条」を定めています。
私たちは、京都市街地から、北西に車で1時間ほどの位置にある京北という山間地域までの間を主なホームベースにしています。この京北で私たちは、モノづくりの源流である「森」と、人が自然と関わり続けることの現れである「工藝」を繋ぐため、二つの事業に注力します。
『工藝の森』では、行為循環型のモノづくりに注力し、私たちにできることをカタチにしてきます。一方で、その地道な活動が何をもたらし得るかについて、明確なビジョンを持っています。モノづくりを通して、人との関係性がより健やかな森づくりが広がること、モノづくりを通して地域の資源に光をあて、課題の解決に寄与すること、モノづくりを通して、人々の感性を解放し、これからの時代に求められるレジリエントな人とコミュニティを育てること。大きなビジョンをミッションとし、できることをコツコツと進めてまいります。